「経営者の自律力」冷静に自分をコントロールするチカラ

この記事のポイント

ついつい感情的になってしまうリーダーは困ったものだ。冷静に自分をコントロールすることができないタイプである。周りに迷惑をかけないように「自律力」を見直してほしい。

「想い通り経営」に必要な「経営者の心技体」。「心」の中の大切な一つ「経営者の自律力」について、その大切さと、改善のヒントを紹介しよう。

「自律力」が足りない経営者に起きる2つの不都合なこと

今は、こんなエラそうなブログを書いている私も、若い頃は「瞬間湯沸かし器」だった。つまり、すぐに熱くなって、社員を叱責する・・・今思うと恥ずかしい経営者だ。よく言われるように「叱る」んじゃなくて「怒る」タイプだった。当時の社員たちには心から申し訳ないと思うが、彼らはすでにいない。そんな経営者のところでは続かない。心から反省している。社員がミスしたときや、私の意図と違う言動を見かけると、頭ごなしに怒ってしまい「なぜ、そのような結果になったの?」と、一呼吸おいて社員の「言い分」を聞くことができなかったのだ。

「心技体」の「心」、その中の大切な一つである「自律力」が足りない経営者だった。「自立」ではなく「自律」だ。

自律力」は「どんな場面でも、感情に左右されず、冷静に自分をコントロールするチカラ」と定義している。

この「自律力」が足りない経営者には、次のような不都合が現象として現れることがよくある。

周りが自分の顔色を伺っている

社員が続かない、すぐ辞めてしまう理由には様々あるが、この経営者の「自律力」が原因であることも少なくない。また理不尽なことで怒られるかもしれない、今日のご機嫌はどうだろう?と、経営者の顔色を窺ったり、ムダな気遣いをする必要がある職場なんて楽しくない。

感情に任せた意思決定で後悔することがある

特に「儲け話」の時にありがちな話だ。「自律力」さえあれば「こんなウマい話があるはずがない」と一呼吸おけるのだが、一時的な盛り上がりで「これは早い者勝ちだ!」と、即決してしまって、後悔。即決が悪いわけではない。決断のプロセスが問題なのだ。

パワハラやセクハラも同様だ。一瞬の感情で発した言葉が、相手を深く傷つけてしまう。自分が発する言葉の影響力に鈍感ゆえに自律できないタイプ。「覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)」だ。

念のため、誤解がないように書き加えると、これは「怒鳴ってはいけない」という意味ではない。例えば、「言いたいこと」があれば、相手に正しく伝わるように話さなければならない。もし怒鳴った方が正しく伝わる、と思えば怒鳴ることもある。諭すように話した方が伝わる、と思えば、丁寧に説明する。そのような「使い分け」も「自律」である。

いつも冷静な経営者になるための「自律力」、3つの大切な視点

この「自律力」が強い経営者には大切な共通点がある。そのキーワードは「あるべき姿」「内観」「習慣」の3つ。もし、この「自律力」に課題を感じるのであれば、是非、この3つの視点について自問自答してみてほしい。

自分の「あるべき姿」をわきまえている

まず、最初は「あるべき姿」。

一時の感情に左右されず、冷静に自分をコントロールしている経営者の多くは「あるべき姿」を具体的にイメージしている。「自分は経営者として、どうあるべきなのか?」、つまり、人の上に立つリーダーとしてのあるべき姿が明確なのだ。

そのような自覚が強いので「あるべき姿」に反する言動の前にブレーキがかかるのだ。この「あるべき姿」がないと、その場、その時の感情に支配され暴走をしてしまい、後で「どうあるべきだったんだろう・・・」と後悔するのだ。

「自律力」が強い経営者には、自分の「あるべき姿」をわきまえている、という共通点が多い。

常に、客観的に「内観」している

2つ目のキーワードは「内観」。「内観」とは、文字通り「内を観る」、自分自身を客観的に観ることだ。

禅や瞑想を取り入れている経営者も多いが、そのような形を問わず、定期的、継続的に「自分を観る」という時間を持っている。「自分のことはよくわからない」というが、経営者なら立場上、そんな無責任なことを言っている場合ではない。人の上に立つリーダーとして「自分を正しく知ること」は責任と言ってもいい。

「自律力」が強い経営者には、常に客観的に「内観」しているという共通点が多い。

冷静な自律力が「習慣」となっている

そして3つ目のキーワードは「習慣」だ。

習慣とは、意識しなくても、自然に考え、行動することだ。「自分を律しよう!」と特別に意識しなくても、常に心を冷静な状態にキープしている。「自律力」の強い経営者は、習慣となっているので、その冷静な姿が自然体なのだ。

「自律力」が強い経営者には、冷静な自律力が「習慣」となっている、という共通点がある。

常に冷静に自分をコントロールしている経営者の幸福

改めて、経営者として自律できていることの幸福を考えてみよう。つまり「経営者の自律力が強い」とは、どういう状態なのか?を3つの視点に照らし合わせてみる。

  • 「経営者としてのあるべき姿」と「内観による現状認識」によって「自分の課題」を明確にしている
  • 「あるべき姿」から逸脱しない冷静な言動が習慣となっている
  • この「自律力」によって、意思決定の精度は高く信頼感がある。
  • その信頼によって周りとのコミュニケーションがとても良好な状態

本質は、このような状態を「幸福」と感じる「心」を持っているか?だ。このように、冷静に自分をコントロールする、ということが「理想論」や「建前論」と感じてしまうならば残念ながら「想い通り経営」は実現できない。

「経営者の自律力」、「想い通り経営」に不可欠な「心」を高めるためのとても大切なチカラの一つだ。

あなたは何点?

1点:理解レベル
このチカラについて「理解」はできるが「納得・賛同」はできない。

2点:納得・賛同レベル
このチカラが必要なことは「納得・賛同」できる。しかし、身につけるには自信がなく、それによる不都合は受け入れるしかない。

3点:行動レベル
このチカラ不足によると思われる経営上の不都合が起きているので、このチカラを身につけようと目下「トレーニング中」である。

4点:習慣レベル
このチカラ不足が原因の経営上の不都合は起きていないので、この考え方、行動は習慣化しており合格レベルだと思う。

5点:指導者レベル
このチカラは当社の管理者や幹部クラスにも必要なので、自らが模範となって指導している。

「自律力」を強くするために「心」をトレーニングする方法

さて、ここまで読んで「心が痛い」と感じたら、つまり「自分には自立力が不足しているな」という自覚症状があれば早速トレーニングしよう。

このブログで何度も出てくる「結果=考え方×行動」の方程式。つまり、今の不都合な結果を望む結果に変えるために「考え方=思考習慣」を変えるトレーニングだ。

心技体の「心」は、スキルではなく「あなたの価値観」に近いものなので、生い立ち、環境、経験、性格などが色濃く反映している。そういう意味で、そんなに簡単に変えられるものではないと思う。

さて、分かれ道だ。

  • 「考え方を変えて結果を変えるか?」
  • 「あきらめて、成り行きに任せるか?」

「考え方を変える」ための一番の原動力は「結果を変えたい」という「想い」の強さである。まずは、方法論の前に、この心構えを自問自答してみてほしい。「よし!結果を変えるために、考え方を変えるぞ!」と決意できるならば、是非、次のトレーニングを試してみよう。

STEP1:理解

「心」を変えるための最初の段階は「理解すること」である。「自律力」の重要性を理解できたか?を確認しよう。

STEP2:納得・賛同

次は「納得・賛同」の段階。「自律力が大切だ」と本心で納得・賛同しているだろうか?当然であるが、納得や賛同ができない考え方には変えられない。

STEP3:行動

「理解」でき「納得・賛同」できたなら「行動」あるのみ、である。最初は「変えなければならない」という、MUSTの気持ちが強いと思うが、このMUSTが「変えたい!」というWANTの気持ちに変われば、それがゴールだ。「欲望」に変われば、あとは自然にこの考え方が当たり前になっていく。そこまでは「反復練習」あるのみ。

STEP4:行動を習慣に変える反復トレーニング

「手書きのノート」を用意して・・

  • 今日一日を振り返って「感情的になったな」「冷静じゃなかったな」という出来事
  • それによって、困らせた人、迷惑をかけた人、そして、その人の気持ち

これを毎日書き出すことを「日課」にする。これを継続すれば、必ず、公正力は高まっていく。

【参考】習慣化のステップ
  • 理解レベル:理解できる。
  • 納得レベル:納得でき、賛同もできる。
  • 行動レベル:高めなければならない=MUST)と思い行動を続ける
  • 習慣レベル:MUSTからWANT(=高めたい)に変化する

まとめ

以上、経営者の自律力「どんな場面でも、感情に左右されず、冷静に自分をコントロールするチカラ」を紹介した。大切な視点は「あるべき姿」「内観」「習慣」の3つ。

想い通り経営」を実現するための「経営者の心技体」の大切な「心」のチカラの一つだ。経営者の「考え方」が変われば「行動」が変わり、会社経営はあなたが望む「結果」に変わる。是非、参考にしてみてほしい。

お役に立ちますように!

【このブログについて】「若手経営者のための経営支援ブログ」