経営者のコーチングをしていると「何度やってもうまく行かない」というグチ?を聞くことが珍しくありません。そのような話になったら、ボクは必ず「同じ考え方と、同じ行動であれば、何度やっても結果は変わらないよ」とアドバイスすることにしています。
このブログで再三登場する(結果)=(考え方)×(行動)の方程式。
経営改善において最も本質的かつ基本的なフレームワークです。
とても大切なことなので、少し詳しく紹介します。
(結果)=(考え方)×(行動)を思考習慣とする
先に結論。
「結果のフレームワーク」を「思考習慣」にしよう!
この「結果のフレームワーク」が「思考習慣」となれば、何か不都合な結果が起きたときに、ムダに悩むことなく
「考え方をどのように修正すればよい?」
「行動をどのように修正すればよい?」
と真っ先に頭に浮かぶのでアクションがすごく早くなります。
不都合な結果が起きると「何が悪いんだろう」と悩んでしまいます。そんなとき、ついつい「誰かのせいにしたくなる」人もいますが、そこは潔く「自分の考え方・行動の何が悪いのだろうか?」と自責で考えることができれば「悩む時間=ロス」を最小限にすることができます。
この「結果のフレームワーク」を「思考習慣」にすれば、課題解決がスピーディーになり、さらにより本質的な解決に至ることが多くなるので是非トライしてみてください。
現象を「自責」で考える思考習慣
「自分の考え方・行動が悪いから不都合な結果になったんだ」という考え方は「自責思考」です。
人はついつい誰かのせいにしたくなり「自分は悪くない、悪いのはアイツだ」というように「他責」を求めがち。
たとえば、ボクはマネジメント・コーチの現場で「デキの悪い社員に困ってる」という経営者の愚痴をよく聞かされます。ボクも経営者の端くれとして、そんな思いに夜も寝られないくらい悩んだ経験があるので、気持ちは痛いほどわかります。確かに不都合な結果の表面的・直接的な原因はそのデキの悪い社員なのかもしれません。でも、あなたも気付いているように、そのデキの悪い社員を採用したのは経営者自身なのです(仮に採用を誰かに任せてたとしても、任せたのは経営者自身)。
厳しいようですが、正すべきはそのデキの悪い社員ではなく、経営者自身の採用力。二度とデキの悪い社員でストレスを感じたくなければ、そもそも、そのような社員を採用しないようにしなければ根本的な解決になりません。
会社経営の現場で起きる様々な不都合な結果の原因は、結局、すべて経営者にあります。
経営者自身が、目の前で起きる現象を「自責」で考えれば多くの会社は良い方に変わり始めます。
もし、心当たりがあれば「考え方」を「他責」から「自責」に変えましょうね。
結果のフレームワークと課題解決
課題発見のフレームワークは
(課題)=(あるべき姿)-(現状)
です。
(現状)を(あるべき姿)に近付け、一致させることが「課題解決」。
これを「結果のフレームワーク」に置き換えると、次のようになります。
(課題)=(望む結果)-(現在の結果)
さらに、これを分解すると・・・
(課題)=(あるべき考え方×あるべき行動)-(現在の考え方×現在の行動)
となります。つまり、課題解決とは「考え方」を変え、「行動」を変えることに他ならないのです。
課題解決は「回数」ではない
あなたも経験があると思います。
「何度やっても同じ・・・」
「何度言っても同じ・・・」
という気持ちになったこと。
解決したい課題がなかなか解決しない時、ついつい口にしてしまうフレーズです。
このフレーズに対する冷静な回答は「同じ考え方、同じ行動であれば、同じ結果しか出ないよ」です。考え方と行動が変わらなければ、多くの課題は根本的には解決しません。仮に、とりあえず解決したとしても、再発するのです。つまり、多くの課題の解決方法は「何度やっても」という「回数の問題」ではありません。
ガンコは自滅する・・・
良くも悪くも経営者はガンコですよねw。おまけに年齢を重ねるごとに益々自分を変えることは難しくなっていきます。「変わらなければならない」「変わり続けないといけない」と、キャッチコピーのようなこのフレーズを口にする経営者がいます。でも、その多くは「建前論」であり、心の奥底では「自分は正しい」という思いが邪魔して、なかなか変わることができないものです。むしろ「変わりたくない」と思っているのかもしれないですね(笑)。
人を雇用してビジネスをやっていてガンコが通用するのは関連者のみんなが「現在の結果に大満足!」「毎日がハッピー!」という場合だけです。
ガンコな経営者の犠牲者は本人が思っている以上に多いものです。ガンコな経営者は、周りのガマンが限界に達したとき「真の孤独」という「結果」に見舞われるのが世の常のようです。
まとめ
「結果」を変えたいなら「考え方」と「行動」を変えればよいという「結果のフレームワーク」を紹介しました。言うは易し行うは難し。理屈が屁理屈に聞こえるくらい誰もが分かっているフレームワークのはず。
でも、ここが「分岐点」。
目の前の不都合な結果の原因を自責でとらえ、望む結果に変えるために、潔く自分の考え方や行動を変える、という経営者の柔軟さが経営のスピードと質を高めることになります。
心当たりがあるなら、今、この瞬間から「考え方」「行動」を「自責」に変えましょう。
周りが変わり始め、結果が変わり始めるはずです。
お役に立ちますように!