「経営者の会議力」チームワークを最適化するチカラ

この記事のポイント

なかなかチームがまとまらず困っていないだろうか?もしそうならば、あなたの「会議力」アップで改善できるかもしれない。

「想い通り経営」に必要な「経営者の心技体」。ここでは「技」の中でも基礎スキルの大切な一つ「経営者の会議力」について、その大切さと、改善のヒントを紹介する。

「会議力」が足りない経営者に起きる3つの不都合なこと

「心技体」の「技」は、「基礎スキル」と「経営スキル」の2つに分けている。
「基礎スキル」は、経営者に限らず、すべてのビジネスパーソンに共通する必須スキルだ。(基礎スキルの一覧はこちら

その一つである「会議力」は「正しい会議でチームワークを最適化するチカラ」と定義している。

このスキルは、経営者でなくてもビジネスパーソンなら誰にでも必要なチカラであるが、チームを動かす立場にある経営者には特に大切なスキルだ。

チームで仕事をする以上、何らかの形で情報共有をしたり、知恵を出し合う、ということは欠かせない、ということに異論はないはず。ところが「会議」と言えば、なぜかテンションが下がる人たちが少なくない。

どういうことか?というと「会議」そのものがキライな人はいないが「キライな会議」「イヤな会議」だからテンションが下がるのだ。「好きな会議」ならテンションは下がらない。その証拠に「楽しいイベントの打ち合わせ」であれば、活発な議論を時間を忘れてやっている。

さて、あなたは「イヤな会議」をしていないだろうか?

会議で発言する人は決まっている、それは私だ・・・。

会議が始まると、ほとんど社長の独演会・・・。ほとんどの時間を経営者・社長の話で費やしており、他の参加者が発言するのは「君、どう思う?」と聞かれて「いいと思います」と、経営者に促されて「YES」をいう場面だけ。最悪の会議だ。これは「独演会」であり「会議」になっていない。

必ず、誰かが欠席し、全員が揃わない

重要な会議を開催したいが、全員の都合が合わないから、限られたメンバーで見切り開催、ということはないだろうか?挙句の果て、欠席者は「その会議、出てないので聞いてません、知りません」と開き直る始末・・・。なぜ、そんなことが起きるのだろうか?

担当者に情報を求めても返事が返ってこない

経理担当者に「最近5年の売上推移はどうなってる?」と聞いても、返ってくる答えは「調べてみます・・・」。営業担当者に「今期、あとどれくらい伸ばせる?」と聞いても「計算してみないと分かりません」。

こんな場面にイライラしている経営者の一言は「なんで、わからないの?君、担当者だろ!」、と空気は益々悪くなるばかり・・・。心当たりはないだろうか?

「ムダな会議はない」と言わせる経営者に学ぶ2つの視点

この「会議力」が優れている経営者には大切な共通点がある。そのキーワードは「目的」「ルール」の2つだ。もし、この「会議力」に不安を感じるのであれば、是非、この2つの視点について自問自答してみよう。

会議の目的に「けじめ」をつけている

まず、最初は「目的」だ。要は「何のための会議か?」。

チームワークを重視している経営者は、会議の目的を明確にしている。何でもないように思うかもしれないが「ネーミング」するだけでも改善するのだ。

「経営実績評価会議」「営業拡大会議」「商品開発会議」「顧客満足度改善会議」「品質改善会議」等々・・・こまめに目的別に区分する、という具合だ。名前で会議の目的が分かるので、参加者の「準備」や「心構え」が変わる。

ここで、大切なことは「目的以外の話はしない」だ。何かのキーワードで脱線していく会議もよく見かける。例えば、「営業拡大会議」は、売上アップに集中する討議する場なのに、気付けば、特定のお客様のクレーム対応策会議になってる、というようなシーンを思い出す。

脱線させる張本人は、ほとんど経営者だ。「社長、脱線してますよ」と声をかけると「いや、クレーム対応は最優先だ!」と、聞く耳持たず。クレーム対応は超重要なのは間違いないが、こんな場合は、営業拡大会議が終了後、すぐに別の会議をさっさと臨時招集すべきなのだ。

むしろ、経営者は、参加者が脱線しそうになれば「その話は、ここですべきでない」と諫める役割なのだ。

このように「会議力」が優秀な経営者には、会議の目的に「けじめ」をつけている、という共通点がある。

会議のルールを徹底する

2つ目のキーワードは「ルール」。

基本的なルールとして、開催日時・参加メンバーが、定型化していることが大切だ。定型化とは、例えば「毎週火曜日:午前10時~12時」というように、個人のスケジュールより優先されるように先に決めておく。

特に大事なのは「終了時間」だ。テンションが下がるのは「いつ終わるかわからない会議」。最も参加したくない会議だ。良い会議をしている会社では開始時間とともに終了時間もルール化している。

その他、見習うべき点として、

  • 数日前に議題が周知され、参加者に準備や予習を促す
  • 書記が指名され、議事録は、会議終了後、参加者及び関連者に配布される
  • 議事録は「決定事項」「継続審議事項」「その他」など、カテゴリーで整理されている
  • 「全員参加」が条件があり、独りでも欠席すると、中止・延期される。遅刻者は、到着まで全員で待つ。

などは、すぐにマネできるルールだ。これによって「良い緊張感」が生まれ、会議のクオリティーがワンランク上がるのだ。

このように「会議力」が優秀な経営者には「会議のルールを徹底する」という共通点がある。

経営者として「会議力」が優れていることの幸福

改めて「経営者として会議力が優れていること」の幸福を想像してみよう。「優れている」とは、どのような状態なのか?

  • 参加者は、会議の目的を正しく理解し、その目的のために積極的に当事者意識を持って万全の準備を整えて参加している。
  • 全員による活発な議論、建設的な議論が交わされ、それぞれの意思表示も明確である。
  • このような会議を運用することで、チームワークは良好な状態。

本質は、このような状態を「幸福」と感じる「心」を持っているか?だ。このように「会議でチームワークを最適化する」ということが「理想論」や「建前論」と感じてしまうならば残念ながら「想い通り経営」は実現できない。

「経営者の会議力」は、「想い通り経営」に不可欠な「技」としてとても大切なチカラの一つだ。

あなたは何点?

1点:理解レベル
このチカラについて「理解」はできるが「納得・賛同」はできない。

2点:納得・賛同レベル
このチカラが必要なことは「納得・賛同」できる。しかし、身につけるには自信がなく、それによる不都合は受け入れるしかない。

3点:行動レベル
このチカラ不足によると思われる経営上の不都合が起きているので、このチカラを身につけようと目下「トレーニング中」である。

4点:習慣レベル
このチカラ不足が原因の経営上の不都合は起きていないので、この考え方、行動は習慣化しており合格レベルだと思う。

5点:指導者レベル
このチカラは当社の管理者や幹部クラスにも必要なので、自らが模範となって指導している。

会議を改善するヒント

さて、ここまで読んで「心が痛い」と感じた人、つまり「自分には会議力が不足しているな」という自覚症状があれば下記をヒントに「会議改革」に取り組もう。

会議のルールを整備する

この「会議力」は、上述したようにルール整備が重要だ。

  • 開催日程
  • 開催時間
  • 参加者

を決めることは前述した。

それ以外は、上記に紹介したルールを参考にしてほしい。

必要最低限の会議に絞る

そして、そのルール整備の過程で「必要最小限」に絞り込むことも行う。「不必要な会議はやめる」ということだ。

「不必要な会議」の代表は、いわゆる「報告会議」だ。実は、書類の配布で事足りるのに、全員が集まり、その書類を輪読するだけ・・・もったいない。

あと、皮肉なことにコロナのおかげで進んだテレワーク。同じ会議室に集まらなくても、WEBでもよい、という会議もたくさんあるのではないだろうか?特に、支店展開している会社の「支店長会議」などは典型だ。

このように「必要最小限」の会議をテーマ別に細分し、ルールを決めよう。

発言しやすい会議にする

そのうえで「経営者の会議力」を発揮する。上記の「目的」「ルール」が決まれば、当然、経営者もそれに従う。特権意識は排しなければならない。もし、ルールを守れないのであれば、ルール改正を改正すること。「社長だけ特別扱い」というのは台無しにしてしまう。

「そこは臨機応変に、柔軟に対応すべきだ」という意見も承知しているが、その時点で「紙のルールはどうせ建前で、実際は社長がルールブックだ」と社員たちは認識し、ルール軽視の建前組織になってしまうことを強く認識すべきだ。

もう一つ大切なことは「発言しやすい会議」「発言したくなる会議」にしなければならない。もし「発言しにくい」「発言したくない」という原因が経営者自身にあるのであれば、その「原因」を解明し、解決しなければならない。よくあるケースは

  • 社員の発言を途中で遮ることが多い
  • 社員の意見なのに「君は間違っている!」と断罪し、自分が正しいと思う意見しか、取り上げない
  • 会議が「つるし上げ」「公開処刑場」になっている
  • 多少の反対意見があっても、発言できる勇気が必要だ!と人材の力量を超える無理な要求をしている
  • 自分のチカラや実績を誇示するような自己満足なライブ会場と化している
  • 会議を通じて、社員を育てよう、って考えたこともない

たかが会議、されど会議。チームワークを最適化したければ「会議の仕組み」がとても大切だ。

【参考】習慣化のステップ
  • 理解レベル:理解できる。
  • 納得レベル:納得でき、賛同もできる。
  • 行動レベル:高めなければならない=MUST)と思い行動を続ける
  • 習慣レベル:MUSTからWANT(=高めたい)に変化する

まとめ

以上、経営者の会議力「チームワークを最適化するチカラ」を紹介した。大切な視点は、「目的」「ルール」だ。

会議のクオリティーは、そのチームワークのレベルをリアルに反映する。チームワークが良いと会議も心地よい。居心地の悪い会議をしているチームは、日常からパフォーマンスが悪いものだ。重要な視点は「会議」は「チームワーク」ということ。改めて改善点がないかを確認しよう。

「経営者の会議録」は「想い通り経営」を実現するための「経営者の心技体」の「技」のなかの大切な1つである。経営者の「考え方」が変われば、「行動」が変わり、望ましい「結果」に変わる。是非、参考にしてみてほしい。

お役に立ちますように!

【このブログについて】「若手経営者のための経営支援ブログ」