「経営者の公正力」人として正しく意思決定するチカラ

「経営がうまくいかない」と相談してくれる経営者に「ズルいこと」をしていないか?と問うと(当然であるが)ほとんどの経営者は「してない!」と返答する。

「経営がうまくいかない」と悩んでいる経営者と付き合ってると、その原因が「自覚症状のないズル」にあることが少なくない。今日は「経営者の狡さ(ズルさ)」について考えてみよう。「経営者の公正力」の話だ。

「ズルくない(と思ってる)人」も、今一度「自覚症状のないズル」をしていないか確認してみてほしい。

「ズルい経営者」は「失敗」する

  • 「ズルいことを一切せずに正々堂々と1億円を稼いだ」という会社
  • 「ズルいことをしてコソコソと1億円を稼いだ」という会社

いずれの決算書にも「当期利益1億円」と計上されていて見分けがつかない。しかし「想い通り経営」の理念(=不幸者や犠牲者を作らない経営)に照らし合わせれば、当然、前者は「成功」であり、後者は「失敗」である。

「ズルいこと」の裏や陰には、それによって迷惑をした人、被害を受けた人が必ず存在する。そんな犠牲者を出して利益を上げた経営を「成功」ということはできない。

ちなみに、他人に迷惑を掛けたり、悲しませたりしても「気にならない」という人や、「悪の帝国」や「闇の秘密結社」などを目指している人は、ボクの価値観と真逆の人なので、これ以上、読み進めてもらう必要はない。このブログは閉じてもらっても構わない。しかし、もし、このページを読んで「確かに・・・心を改めよう!」と改心してくれるならボクはあなたを大歓迎する。

「公正」とは、文字通り「公に正しいこと」

経営者の意思決定には必ず理由や根拠がある。

  • メリットが大きいと判断したからGOサインを出した
  • 当社に必要な人材だと判断したから採用した
  • 今がチャンスだと思って投資した

これらの意思決定の結果、期待通りの結果を得ることもあれば、アテが外れることもあるが、いずれの結果であっても、その原因は、意思決定した理由や根拠にある。

アテが外れたり、期待とは真逆の結果でトラブルになったりするときの「意思決定の根拠」をよく観察してみると「公正ではない考え方」であることが少なくない。

その意思決定の理由や根拠が「正しいか?」である。

「自分なりに正しい」ではなく
「公(おおやけ)に正しいか?」
「だれに説明しても、後ろめたさはないか?」
「胸に手を当てて痛くないか?」である。

自信をもって正々堂々と意思決定の理由や根拠を誰にでも説明できるか?」という「ものさし」で意思決定することが「公正な意思決定」である。

関連する言葉に「正義」や「誠実」がある。また、実務的には「法令順守:コンプライアンス」も「公正」のひとつだ。

「公正」、文字通り「公に正しいこと」をあなたは意思決定の理由・根拠としているだろうか?

「公正」と「公平」

「公平」であることも当然であるが、そこに「正しさ」を加えるのが「公正」だ。

あえて公式で表すと「公平」×「正しい」=「公正」

「臨時収入を社員には内緒で役員だけで山分けした」というのは「(役員同士では)公平」かもしれないが「(会社として)公正」ではない。もし、それが「公正」というならば公表して「確かに納得!正しい!」と周りが認めてくれる「公正の理由」があるはずだ。「公平」であっても、それが偏っていて「公正」でないこともある。

「公正」を欠く場面の”あるある”

中小企業を経営していると、知らず知らずに「不公正」な意思決定をしたり、あるいは、他人の「不公正」に巻き込まれたりすることがある。ほとんどの経営者は善良な市民のはずであるが、気付かず「罪悪感のない不公正」をやらかしていることがある。

たとえば・・・

  • 社内ルールがあるにも関わらず「鶴の一声」で特別扱いを認めてしまう(内緒のボーナス加算、勤務条件の特別扱い、予算にない高額支出)
  • よそでは通用しないような特別ルールがある(役員の高額出張手当、一部の社員だけの福利厚生)
  • 裏口採用、縁故採用
  • 私的な理由による自由行動(臨時休暇、個人的飲食費の経費処理等)
  • 家族従業員の特別待遇
  • 得意先から過剰な接待を受けて、特別扱いをせざるをえない関係性になっている

あと、そもそも「公正」以前の例

  • 法令に反している(脱税、労働法規違反、偽装、不当解雇・・・)

これらの多くに「程度の差」はあるが、自覚症状がないのを通り越して、正当化するような経営者が中小企業には少なくない。

「公正」でないことによる「不都合」

なにも経営者に限ったことではない。「公正」でない人に、優秀な人や善良な人は寄ってこない。寄ってくるのは優秀でもなく、善良ではない人である。良くも悪くも「るいとも」である。

そんな人が会社経営をしても優秀な人材や善良な人材は長続きしない。かろうじて会社に残っていたとしても「公正でないリーダー」に従うことは無い。その結果、その組織は「弱いチーム」になってしまう。

  • ルールを守らない社員
  • 非常識な言動をする社員
  • 責任を果たさない社員
  • 自社の悪口を平気で口外する社員
  • ニンジンをぶら下げないと頑張らない社員

このような「不都合」を「社員のせい」にしている経営者は気付いていない。このような「不良社員」にしてしまったのは誰か?このような「不良社員」を採用したのは誰か?このような「不良社員」が辞めないのはなぜか?

鏡の法則である。

  • ルールを守らない経営者
  • 非常識な言動をする経営者
  • 責任を果たさない経営者
  • 自社の社員の悪口を平気で口外する経営者
  • 金銭的な損得でしか考えない経営者

まとめ

「何がズルいか?」「何が公平か?」「何が公正か?」要は「何が正しいか?」ということは、絶対ではなく、人それぞれの価値観に関連することなので賛否両論あるテーマでもある。

「正しいこと」をやっていても、妬みヤッカミ、あるいは、受け手の価値観によって誤解されるようなこともあるだろう。

しかし「人として正しい」「後ろめたさはない」と、正々堂々と考え行動すれば、同じ価値観を持つ正々堂々と生きている人たちと親和する。

経営者以前に、ひとりの社会人として「人の役に立ちたい」「人に迷惑をかけない」というマインドセットを持ち、同様の価値観を持った仲間たちと共に仕事をし、成果を共有し、それぞれが幸福を感じる。そんな会社経営を目指してほしい。そのための「経営者の公正力人として正しく意思決定するチカラだ。

お役に立ちますように!

【このブログについて】「若手経営者のための経営支援ブログ」