「経営者の公正力」偏りなくフェアに意思決定するチカラ

この記事のポイント

「特別扱い」の結果、あとで困ったことはないだろうか?なぜ、困るようなことになったのだろう?

その理由は、信頼の基本「フェアを貫く」という考え方が欠けていたからかも知れない。つまり「公正力」。

「想い通り経営」に必要な「経営者の心技体」。ここでは「心」の中の大切な一つ「経営者の公正力」について、その大切さと、改善のヒントを紹介しよう。

「公正力」が足りない経営者に起きる2つの不都合なこと

「特別扱い」をしてみたり、反対に「特別扱い」されてみたり、経営者なら一度二度ならず経験があると思う。私も、税理士として「センセ~」なんて言われて特別扱いされることは長い間「日常」だった。

それを「おつきあい」として「大人の対応」をするものの、問題は、それで「気持ちよくなるか」「気持ち悪くなるか」だ。

「特別扱い」が当然になってしまって、ついには「自分は、他の人とは違うんだ」なんて優越感まで感じる経営者がいる。「心技体」の「心」、その中の大切な一つである「公正力」が足りない経営者だ。「特別扱い」が、当たり前になってしまうと、どんどん「正しい判断力」や「正しい決断力」を失っていく。怖いのはその自覚症状がない・・・。

公正力」は「自分自身も含めて、全員にとって何が公平か?を見極めて、偏りなくフェアに意思決定するチカラ」と定義している。

この「公正力」が足りない経営者には、次のような不都合が現象となって現れることが少なくない。

特別扱いしないと言うことを聞いてくれない人が多いと思う

「特別扱い」しないと、言うことを聞いてくれない人達は、経営者が特別扱いしてくれることを知っているのだ。昔の「ワイロ」なんてその典型。「あの人ならワイロをくれるよ」というイメージが定着しているのだ。ついには「ワイロ」なしでは誰も言うことを聞いてくれなくなる。

理不尽な要求をされることがある

簡単に言えば「接待漬け」。あの手この手で「特別扱い」を受けている間に、どんどん「借り」が出来ていって、気の進まない依頼でも引き受けざるを得なくなる、というようなケース。「特別扱い」されたら、すぐに「お返し」をして、常に「チャラ」の状態を作っておかないと、こんな不都合が生じてしまう。

例えば「特別扱い」を要求してくるような困った社員はいないだろうか?給与を上げてほしい!もっとボーナスをくれないと辞める!、子供が出来たから!学校に通いたいから!車で通勤したいから!と、様々な個人的な事情や理由で特別な手当や待遇をして欲しい、というタイプだ。問題は、これを「要求する社員」ではなく「要求される経営者」だ。おそらく日常の言動で無理な期待をさせてしまっているのである。

信頼を集める経営者になるための「公正力」、2つの大切な視点

この「公正力」が強い経営者には大切な共通点がある。そのキーワードは、「不偏」「公平」の2つ。もし、この「公正力」に課題を感じるのであれば、是非、この2つの視点について自問自答してみてほしい。

不偏である=偏りがない

まず、最初は「不偏」。「不偏」とは、文字通り「かたよらない」ということだ。「公正力」が強い経営者は、理由もなく、辻褄の合わない「特別扱い」はしない、また、されない。

特に「好き嫌い」が態度や意思決定に現れるような経営者は要注意である。人によって「言い方が変わる」「会話の頻度が変わる」「待遇が変わる」、その理由が「好き嫌い」であれば最悪である。

社員に対して偏りがない経営者であれば、役職の任命、仕事の機会、待遇、評価、いずれにおいても、偏りなく、いつでも誰にでも説明できる「真っ当な理由・根拠」を持っているものだ。

つまり「公正力」が強い経営者には「不偏である」という共通点がある。

皆が納得する公平感覚を持っている

2つ目のキーワードは「公平」。言い換えれば、分け隔てなく「平等」というバランス感覚である。

これに加えて大切なのは「公」だ。経営者の「マイルール」では意味がない。「私の物差しでは公平にしてるよ」というフレーズは日本語としておかしい。それは、いわば「平」ではなく「平」だ。関係者のだれにとっても納得感のある平等が「公平」であり、それが正しい、という意味の「公正」である。

陰でこっそり「君だけ、特別手当を支給するから内緒だよ」って悪代官のようなマネジメントは、いつか大きなしっぺ返しを受けることになる。それを知った他の社員は、どう思うだろうか?明白だ。一瞬にして組織は崩壊してしまうだろう。

正しく公平感を認識している経営者は「個の最適」ではなく「全体の最適」を基準にして意思決定する。つまり「公正力」の強い経営者には「皆が納得する公平感覚を持っている」という共通点がある。

公正な経営者の幸福

改めて、経営者として「公正であること」の幸福を考えてみよう。つまり「経営者の公正力が強い」とは、どういう状態なのか?

  • 偏りのない、誰にとっても公平=フェアな意思決定、発言、行動を貫き、
  • リーダーとしての信用、信頼を得ている状態

本質は、このような状態を「幸福」と感じる「心」を持っているか?だ。このように「フェアを貫く」ことが「理想論」や「建前論」と感じてしまうならば残念ながら「想い通り経営」は実現できない。「経営者の公正力」、「想い通り経営」に不可欠な「心」を高めるためのとても大切なチカラの一つである。

あなたは何点?

1点:理解レベル
このチカラについて「理解」はできるが「納得・賛同」はできない。

2点:納得・賛同レベル
このチカラが必要なことは「納得・賛同」できる。しかし、身につけるには自信がなく、それによる不都合は受け入れるしかない。

3点:行動レベル
このチカラ不足によると思われる経営上の不都合が起きているので、このチカラを身につけようと目下「トレーニング中」である。

4点:習慣レベル
このチカラ不足が原因の経営上の不都合は起きていないので、この考え方、行動は習慣化しており合格レベルだと思う。

5点:指導者レベル
このチカラは当社の管理者や幹部クラスにも必要なので、自らが模範となって指導している。

「公正力」を強くするために「心」をトレーニングする方法

さて、ここまで読んで「心が痛い」と感じたら、つまり「自分には公正力が不足しているな」という自覚症状があれば早速トレーニングを始めよう!

このブログで何度も出てくる「結果=考え方×行動」の方程式。つまり、今の不都合な結果を望む結果に変えるために「考え方=思考習慣」を変えるトレーニングだ。

心技体の「心」は、スキルではなく「あなたの価値観」に近いものなので、生い立ち、環境、経験、性格などが色濃く反映している。そういう意味で、そんなに簡単に変えられるものではないと思う。

さて、分かれ道だ。

  • 「考え方を変えて結果を変えるか?」
  • 「あきらめて、成り行きに任せるか?」

「考え方を変える」ための一番の原動力は「結果を変えたい」という「想い」の強さである。まずは、方法論の前に、この心構えを自問自答してみてほしい。「よし!結果を変えるために、考え方を変えるぞ!」と決意できるならば、是非、次のトレーニングを試してみよう。

STEP1:理解

「心」を変えるための最初の段階は「理解すること」である。「公正力」の重要性を理解できただろうか?

STEP2:納得・賛同

次は「納得・賛同」の段階。「公正力が大切だ」と本心で納得・賛同しているだろうか?当然であるが、納得や賛同ができない考え方には変えられない。

STEP3:行動

「理解」でき「納得・賛同」できたなら「行動」あるのみ、である。最初は「変えなければならない」という、MUSTの気持ちが強いと思うが、このMUSTが「変えたい!」というWANTの気持ちに変われば、それがゴールだ。「欲望」に変われば、あとは自然にこの考え方が当たり前になっていく。そこまでは「反復練習」あるのみ。

STEP4:行動を習慣に変える反復トレーニング

「手書きのノート」を用意して・・

  • あなたが「特別扱い」した人と、その内容。そして、それは、誰に申し訳ない、と思うか。
  • あなたが「特別扱い」してもらった人と、その内容。そして、それは、誰に申し訳ない、と思うか。

これを毎日書き出すことを「日課」にする。これを継続すれば、必ず、公正力は高まっていく。

【参考】習慣化のステップ
  • 理解レベル:理解できる。
  • 納得レベル:納得でき、賛同もできる。
  • 行動レベル:高めなければならない=MUST)と思い行動を続ける
  • 習慣レベル:MUSTからWANT(=高めたい)に変化する

まとめ

以上、経営者の公正力「自分自身も含めて、全員にとって何が公平か?を見極めて偏りなくフェアに意思決定するチカラ」を紹介した。大切な視点は、「不偏」「公平」だ。

想い通り経営」を実現するための「経営者の心技体」の大切な「心」のチカラの一つだ。経営者の「考え方」が変われば「行動」が変わり、会社経営はあなたが望む「結果」に変わる。是非、参考にしてみてほしい。

お役に立ちますように!

【このブログについて】「若手経営者のための経営支援ブログ」