ボクがまだ20歳代の若い時に出会った、ある経営者のエピソード。その経営者のスゴイ考え方に驚いた懐かしい思い出。
「うちはね、焦げ付き=貸し倒れが、ゼロなんだ」
「へ~、いいお客様に恵まれておられるのですね」
「いや、違うよ」
「?」
「時には、踏み倒されることもあるよ」
「???」
この経営者は、会社の「売掛債権」について「個人保障」している、とおっしゃった。もし、貸し倒れが発生すれば「私財」で穴埋めしているということ。
「だから、会社の貸し倒れはない!」
と、言い切られた。清々しさすら感じた。
「社長だから、全責任は私にあるんだよ。」
「その取引を決済したのは、私だ。」
「その取引を社員に任せたのも私だ。」
と、次々と「覚悟の言葉」が続き、まだ20歳代だった自分は「カッコイイな~」とも感じたことを思い出す。
あれから30数年経った今、「貸し倒れがない理由」は、経営者が穴埋めしているからという、数字の話ではなく、このような経営者の考え方が、そもそも、貸し倒れを発生させないのだ、と思う。
若い経営者に伝えたいのは「焦げ付いたら自腹を切れ」ということではなく、このような「経営者の責任力」が「想い通り経営」の実現に大切ということ。
ボクがこの「貸し倒れのない会社の経営者のスゴイ考え方」に学んだことは大きかったな、と今、しみじみ思い出した。
ご参考まで!