経営者にとって「経営計画」は、会社と関わる人たちを、どうやってハッピーにするか?という計画に他ならない。それは会社経営に人生をかけている経営者の「人生計画」そのものでもある。「経営計画」の大切な視点を紹介しよう。
この記事のポイント!
会社経営の目的は「幸福」
「想い通り経営」とは「人々の幸福のために、経営者の想い通りの会社経営が持続している状態」である。
カッコつけずにシンプルに言うと、会社経営が「楽しい状態」であり「面白い状態」だ。
会社経営の目的は「幸福」だ。ほとんどの経営者は「幸福になりたい!」から会社を経営している。会社を経営して幸福になりたいのだ。
そのために「実現したいこと」は大きく二つに分けられる。計画するひとつは「満点を目指したいこと」、もうひとつは「合格点を目指したいこと」だ。
すでに合格ラインは越えてるけど満点を目指したいこと
今の状態でも合格ラインをクリアしているが、さらに満点を目指したいことは何か?。幸福度を増すために何がしたいのか?例えば・・・
- さらに売上を増やしたい!
- さらに品質を上げたい!
- さらに人材を育成したい!
- さらに手元資金を増やしたい!
- さらに役員報酬を上げたい!
というような前向きな課題解決である。
まだ合格レベルに達していないこと
諸問題を抱えており、決して幸福とは思えない状態=合格レベルに達していないこと=合格点を目指したいことは何か?。例えば・・・
- 人手不足を改善したい
- 競合に負けている品質を改善したい
- 良くない待遇を改善したい
- いつもギリギリの資金繰りを改善したい
- 赤字から脱出したい
というように合格点をクリアしていないテーマの課題解決である。
経営計画は「経営課題解決計画」
「満点を目指したいこと」も「合格点を目指したいこと」も、どちらも「経営課題(=あるべき姿-現状)」である。この「経営課題を解決したい!」と思った時が「経営計画」を作る時だ。「経営計画」は、言い換えると「経営課題解決計画」である。
参考「経営者の課題解決力」
経営者の心技体「技(基礎スキル)」のひとつ。現状とあるべき姿を言語化することで課題を明確にし、優先順位を付けて、その解決のために行動しするチカラ
(課題の方程式=あるべき姿-現状)
「経営者の課題解決力」
経営課題を解決するために、各テーマごとに
- G:どのような状態にしたいのか?=ゴールを設定し
- S:どうすれば実現できるのか?=シナリオを具体化し
- C:だれが担当責任者なのか?=キャスティングする
これが「経営計画」だ。当たり前であるが、誰が見ても「実現が目に浮かぶリアリティ」がポイントだ。
例えば「人手不足を解決するために求人広告を打つ」というような表現を見かけることがある。求人広告を出せば人手不足が解消できる、と誰もが思えるなら合格だ。しかし、求人広告だけで本当に解決するの?と思われるようではリアリティーがない計画、ということになる。
経営者の心技体「技(基礎スキル)」のひとつ。正しく計画を立案し、正しく実行・行動して必ず目標を達成するチカラ
(計画達成の方程式=正しい計画×正しい行動)
「経営者の達成力」
「望む結果」のために「考え方」「行動」はどうするのか?
ここで紹介している「経営計画」は、銀行に提出する「予算」や「利益計画」「資金繰り表」とは違い、ゴールである「経営者自身が望む結果」のための「行動計画」である。
- 「すでに面白いこと」は「もっと面白い結果」に
- 「すでに楽しいこと」は「もっと楽しい結果」に
- 「面白くないこと」を「面白い結果」に
- 「楽しくないこと」を「楽しい結果」に
どうすれば「今の状態」を変えることができるか?
(結果)=(考え方)×(行動)だ。
「考え方は今のままでよいのか?変えた方がよいのか?変えるならどのように変えるのか?」
「行動は今のままでよいのか?それとも変えた方がよいのか?変えるならどのように変えるのか?」
これを明確にしなければならない。つまり、「望む結果」のために「考え方」「行動」はどうするのか?だ。
3つのグループで整理する

G1:お客様・取引先
G2:社員とその大切な人々
G3:自分と大切な人々
多くの経営者が賛同する「幸福」な状態。それは「自分の周りが幸福であること」。
- お客さんが喜んでいる!+取引業者さんが喜んでいる!
- 社員が喜んでいる!+社員の大切な人も喜んでいる!
- あなたの大切な人も喜んでいる!
つまり「3つのグループ」のみんなが喜んでいる、楽しいと思っている、面白いと思っていると経営者は本当にうれしくなるものだ。だから・・・
- もっとお客さんに喜んでほしい!+もっと取引業者さんに喜んでほしい!
- もっと社員に喜んでほしい!+もっと社員の大切な人にも喜んでほしい!
- あなたの大切な人に、もっともっと喜んでほしい!
と思う。反対に・・・
- お客さんに迷惑をかけていて・・・
- 取引先に無理をさせていて・・・
- 社員に余計な負担をさせていて・・・
- 自分の家族を犠牲にしていて・・・
申し訳ない気持ちで「楽しくない」「面白くない」と心を痛めていることもあるかもしれない。
会社経営の結果は「3Gの誰か」に関連している。課題は3つのグループの「誰か」に関連付けて整理するとよい。
「もっと幸福になってもらうために」あるいは「幸福でない状態を解消するために」自分の「考え方」と「行動」のどこに課題があるのか?それをどのように変えれば解決できるのか?だ。
これを「徹底的に考え抜く」とウソのようにスラスラ経営計画が完成するはずだ。
「そんな綺麗ごとで経営は無理だ!」って思ってるだろうか?
これは「綺麗ごと」ではなくて「想い通り経営」をしている経営者から見れば「当たり前」「当然」のことなのだ。
まとめ
以上、「経営計画」について紹介した。経営者にとって「経営計画」は、会社と関わる人たちを、どうやってハッピーにするか?という計画に他ならない。
お客さん、取引先、社員、それぞれの大切な人、そして、あなたにとって大切な人々を不幸にしない計画、幸福にする計画・・・これは、あなたの「人生計画」にもなるはずだ。日々、楽しい!面白い!って感じながら人生を送りたい。そんな視点で「経営計画」を考えてみてほしい。
お役に立ちますように!



「経営計画のコーチング」も併せて参考まで!