【経営者の孤独】解放されることはないが、軽減はできる

「経営者の孤独」は、どんなに時代が変わっても定番のテーマである。中小企業の多くはオーナー経営者であり、どんなに大きな会社であっても、ただ一人唯一「転職できないポジション」でもある。そんなポジションゆえか、多くの経営者は「孤独を感じた経験」があるはずだ。

私も30年以上にわたって多くの中小企業経営者と仕事をしてきたが、そのほとんどが「孤独」と漏らす。もちろん、私も小さいながら税理士事務所を20年以上経営してきて幾度となく「孤独」を感じたものだ。

そんな「定番のテーマ」である「経営者の孤独」について、私なりに整理して書き留めておこうと思う。

ビジネス上の孤独

「孤独」は「性格」や「考え方」が大きく影響するので、本人が「孤独」と思えば、それは「孤独」なのであるが、まずはこの記事においての「孤独」について定義しておこう。

ちなみに、私は「独りぼっちで心寂しい状態」を「孤独」と定義しているが、このブログは「若手経営者」のために書いているので「ビジネス上の孤独」に限って整理する。したがって「プライベートの孤独」ではないのでご了承いただきたい。

経営者は孤独から解放されることはない

私見である。私は「経営者は孤独から解放されることはない」と思っている。

多くの仲間や社員たちと一緒に仕事し、喜びを分かち合い、それこそ打ち上げなんかで騒いでいるとき、それなりの幸福感を感じ、孤独から解放されたような気持になる。しかし、気が付けば、また孤独に引き戻されている。

私は、オーナー経営者の「宿命」と思っている。「宿命」とは「前世から決まってた」というような意味らしいが、それくらい「避けられない」「変えられない」ものだと思う。「経営者になる」と選択した時点でセットなのだ。

仲間の経営者や、コーチをしている若手経営者には「そんなに孤独が辛いなら社長を辞めるしかない。セットだから。」と冷たく言い放つこともある。

私は、独立して間もない30歳の頃、落ち込んでいるときに、ある友人から忠告されたことを今でも鮮明に覚えている。

堀井、孤高になれ!

今、思い出しても「名言」と思う。30歳そこそこの若造の言葉とは思えないくらい「本質」を突いている。

ちなみに「孤高」とはウィキペディアには、次のように説明してある。

孤高とは、個人の社会生活における1つの態度を表し、ある種の信念や美学に基づいて、集団に属さず他者と離れることで必要以上の苦労を1人で負うような人の中長期的な行動とその様態の全般を指す。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A4%E9%AB%98

この説明を私なりに解釈し、言い換えると

孤高とは、経営者の1つの態度を表し、自分の信念や美学に基づいて、他者に頼ることなく、全責任を1人で負う覚悟を持って、思考し、行動する様態を指す。

である。この「孤高」は、極めて「孤独」である。つまり「孤高」になっても「孤独」から解放されるどころか、ますます「孤独」になるが、それを受け入れることができた瞬間だった。

ビジネス上の孤独は「支持率の低さ」が原因

私は前述したように「孤独」は「独りぼっちで心寂しい状態」だと定義しているが、その中でも「ビジネス上の孤独」は「支持率が低い状態」だと思っている。

規模の大小はあっても「組織のトップリーダー」である。この「組織」には、社内=社員達以外にも、外注先などのビジネスパートナーも含むが、このトップリーダーは、目指すゴールを設定し、その実現のために社内外に指示・命令・依頼をし、また様々な意思決定や決断をする立場である。

この時に「社内外の支持率」が「経営者の孤独」に大きく影響する。

指示・命令・依頼が正しく伝わり、その結果、自分の要望や意図に従って正しく実行されるかどうか?

支持率が高い経営者なら、その実行レベルのストレスは軽微だろう。しかし、支持率が低い経営者なら、その実行レベルに大きなストレスを感じることが少なくない。

「違うだろ!」「何度言わせるんだ!」「言ったとおりにやれよ!」と益々悪循環に陥る悲しいフレーズで威圧しなければ実行されない、という場面を見ること、また、その愚痴を聞かされることは意外と多い。

挙句の果て「自分の支持率」を顧みることなく、社員やビジネスパートナーのスキルに問題がある、と勘違いが続き、益々支持率が低下し、そして、最後はその経営者から離れていく。

その結果、強烈な孤独感に襲われることになる。

少々「大げさ」に書いたが、少なからず「心当たり」はあるのではないだろうか?

孤独を軽減することは可能だ

もうお気付きだと思う。「孤独」から「解放」されることはないが「軽減」することは可能だ。

その通り・・・「支持率」を上げればよい。

私は、この「支持率」を上げるためには「経営者の社会力」を見直すこと、と説いている。

「支持率」が低い経営者を観察していると「社会力」が低いことが多い。「経営者の社会力」とは「社会から認められ、期待を集めるチカラ」であるが、この定義に沿って表現すると「社会力」が低いというのは「社会の期待が低い状態」である。「どうせ、あの経営者には期待できない」という何とも厳しく寂しいフレーズだ。つまり「支持できない」である。

(参考記事)
「経営者の社会力」社会から認められ、期待を集めるチカラ

どうすればよいか?

  • 社会の一員としての自覚を自問自答し、改める
  • 社会貢献の意欲や使命観を自問自答し、改める
  • 社会の秩序を乱さないという道徳観や倫理観を見直し、改める

である。経営者かどうかは別にしても、要は「自分ファースト」な人は、善良な他者に支持されることは少ない。せいぜい「類とも」で「自分ファーストな人たちの集団」を形成することになる(が、彼らは私の対象ではない)。

説明の都合上、少々「大げさ」に書いているが「孤独な経営者」は大なり小なり「支持率」に課題を抱えていることには大差はない。

  • どうすれば、社員の支持率を上げることができるか?
  • どうすれば、ビジネスパートナーの支持率をあげることができるか?
  • どうすれば、協力者や応援者を増やすことができるか?

これらを自問自答し「考え方」を改め「行動」を変えることで「結果」として支持率が回復すれば、それに応じて「孤独感」は軽減されるだろう。

決して「孤独」から完全に解放されることはないが、周りの人達から支持され、期待され、応援されることで、大きく軽減される。

まとめ

「経営者の孤独」について、私の考えていることを整理してみた。賛否両論はあるかもしれない。また、いずれ私の考え方が変わってこの記事を書き換えることがあるかもしれない。しかし、現段階で私が考えていることであり、この考え方に基づいて、日常のマネジメントコーチの仕事をしているので書き留めてみた。

結論は「支持率を改善して、孤独感を軽減する」である。「他責」にしている間は軽減されることはない。孤独の原因を「自責」に求め「考え方」と「行動」を変えることだ。「結果」は変わるだろう。

さて、あなたの考え方はどうだろうか?

(参考記事)
「考え方」と「行動」を変えれば「理想の結果」に変わる