【業績連動型の給与賞与】4つの相談事例

「業績連動型給与賞与」に関して多くのご相談をいただいているが、その中でも「よくあるご相談」を不定期に追加更新している。

人事評価は「経営理念・クレド」「基礎スキル」「実務スキル」の3点セットで行う場合、「経営理念・クレド」と「基礎スキル」は、職種や役職に関係なく、全員共通で適用するが、「実務スキル」は、営業職、製造職、事務職などといったように、それぞれ内容が違う評価基準(チェックシート)を用いる。

この場合、例えば、営業の30点と事務職の30点は、同じ評価としていいのか?ということの確認が必要である。

これは、我々がチューニングと呼んでいる検討が必要になる。いわゆる格差是正である。職種が違っても同レベルの社員が、同レベルの採点結果になるように「ウエイト付け」というチューニングを行う。

例えば、営業職の「新規拡大スキル」の1点が、事務職の「正確性」の1点と比べて、どれくらいの差で評価すべきか?ということを検討して、営業職の「新規拡大スキル」のウエイトを決める、という具合だ。

こうすることによって、例えば、事務職の社員が「正確性」で2点アップした場合、合計得点も2点しかアップしないが、営業職の社員が「新規拡大スキル」で2点アップした場合、ウエイトが3とすれば、合計得点は、いっきに6点アップする、ということになる。

実務的には、制度実施前の設計段階で全員の採点結果をシミュレーションしながらチューニングしていく。

例えば「部長手当」が、毎月5万円としよう。この部長は、年間で60万円の手当をもらっている。

(年俸)-(年間給与)=(賞与)という、原則通りの計算をしてしまうと、この部長の賞与は部長手当相当額の60万円が減額されることになる。

これでは、部長手当をもらってたことがチャラになってしまう、という意見がある。その場合、この役職手当は「山」から、あらかじめ控除しておくが、これを「優先分配」という。みんなで山分けする前に、優先的に受け取れる分配額である。

つまり、みんなで稼いだ「山=年俸総額」を全員で分配する前に、役職者の役職手当を先に分配し、その残りを全員でシェアする、という計算の仕組みとすることで、役職手当が消滅してしまうことを避ける。

この優先分配は、役職手当以外にも、各種報奨金を支給する場合も同様の方法による。

ただ「優先分配するべきでない」という意見もあるが、レアケースなのでここでは省略する。

なんらかの理由で業績が伸びず、年俸計算をすると、すでに、給与と夏の賞与で超過してしまっている、という現象が起きることが可能性として残る。

このような場合を想定しルールに盛り込んでおくことが必要である。様々な考え方があるが、経営者の考え方や各社の事情によっていずれかの方法を採用する。

(方法1)冬季賞与はゼロ
すでに「山」は、ない=支給原資がない、ということであれば、当然、冬季賞与はゼロとする方法。

(方法2)最低保証ルール
原資がないから、ゼロ支給というのはモチベーションに関わるので「最低保証ルール」を盛り込んでおく。つまり、最低でも基本給の1か月分は支給される、というような方法である。当然、実質「分配率」がオーバーすることになる。

(方法3)不足額の翌期繰り越し
これは、あまりお勧めしないが、マイナス分を翌期にもちこす、という考え方。つまり、来期は、マイナスからのスタート、ということである。この方法をお勧めしない理由は、来期の新人には責任はないから、である。自分が入社する前に先輩が作ったマイナスの割り勘に参加させられるのは、少々酷である、という理由である。

新人や、退職者を山分けに参加させるか?の検討である。

まず、新人であるが、通常、月割計算で参加させる。

  • シェア率の計算期間:1~12月=12か月
  • 新人の在籍期間:11~12月=2か月

このような場合、この新人君のシェア率を他の社員と同様に計算するが、山分けの段階においては「シェア率×(2月/12月)=調整シェア率」を計算して用いる。

一方で、退職者の取り扱いであるが、賞与支給時期に在籍していない社員に賞与を実際に支給するかどうかは、各社の考え方であるが、支給しない場合も「山分け」においては計算に含める。

なぜなら、誰かが退職することで、在籍者の賞与が増える、というのは、本来退職者が受け取るべき賞与を、残ったメンバーで山分けすることになり、モラル的に望ましくない、という理由である。

堀井弘三
堀井弘三

コンサルティングのご提案
業績連動型賞与を検討されているなら一度ご相談ください。
設計から導入、運用まで御社をサポートします。

「成長支援型の人事評価制度」と
「会社の業績を共有するための管理会計」を
連動させた給与賞与の仕組みを実現できます!

お気軽に!
詳しくはこちら