「経営者の報連相力」風通しを良くする思いやりのチカラ

この記事のポイント

社員たちとの情報共有や、連携が上手くいかず、歯がゆい思いをしていないだろうか?その原因は経営者であるあなたの「報連相力」かもしれない。

「想い通り経営」に必要な「経営者の心技体」。「技」の中でも基礎スキルの大切な一つ「経営者の報連相力」について、その大切さと、改善のヒントを紹介しよう。

「報連相力」が足りない経営者に起きる3つの不都合なこと

「心技体」の「技」は、「基礎スキル」と「経営スキル」の2つに分けているが
「基礎スキル」は、経営者に限らず、すべてのビジネスパーソンに共通する必須スキルだ。(基礎スキルの一覧はこちら

心技体

その一つである「報連相力」は、チームの風通しをよくするために「相手が必要とする情報を、正確に、かつ、タイムリーに自ら発信する思いやるチカラ」と定義している。

この「報連相力」は、ビジネスパーソンなら誰にでも必要なチカラであるが、チームワークの要である経営者にとっては、特に大切なスキルだ。

この「報連相」、経営者は「聞く側」の場面が多いと思う。よく見かけるシーンは「あの件は、順調に進んでる?」「あれ、どんな感じ?」と、社員たちに声をかけてる経営者。

会議の場でも、同じようなフレーズを発している。どちらかというと、経営者にとっての「会議」は、この「報連相をまとめてやってしまう場」なのだろう。ご多分に漏れず、私も社員に向かって「みんなの報連相が完ぺきなら、会議は廃止する」と何度か愚痴ったことがある(笑)。必要な情報や気になることが「どうなってる?」と聞かなくても、向こうからタイムリーに入ってくれば「(報告)会議はいらない」と思う。

ただ、この記事は「逆」。つまり、経営者が「報連相する側」の視点でまとめてみたので参考にしてほしい。

この「報連相力」が経営者に不足していると、次のような不都合がしばしば発生する。

社員たちとの関係がギクシャクしてる、と感じる

「報告」「連絡」「相談」、誰が言い出したか「報連相」。誰に教えてもらう訳でもなく、知らない間に「報連相」って言葉を使っている。この「報連相」は決して「下から上へ」の一方通行の話ではない。「双方向」だ。つまり経営者側からも社員たちに「報告すること」「連絡すること」「相談すること」があるということを忘れてはならない。

経営者側からの「発信」が少なければ、当然、社員たちも「あれは、どうなってるのかな?」「え?聞いてないよ!」「え?社長、勝手に決めたの・・・相談してほしかったなあ」となる。

彼らは、立場的に社長には聞きづらくて、勝手に想像したり、予想したり、顔色を窺ったり、最悪は諦めたりしている。社員たちとの関係がギクシャクしてるのは、経営者側からの報連相が少ないのが原因となっていることがある。

社員たちは、経営者の気持ちをわかってくれない、と思う

まず先に言っておくと、社員たちに経営者の気持ちなんて「わかるはずがない」、それが「現実」だ。淡い期待はストレスになるからやめた方がよい。

毎月の給料で生活をやりくりしている社員たちに、借金を抱え、24時間365日、身も心も休まることなく人生を歩んでいる経営者の本当の気持ちは「未経験」だから、なんとなく想像はできても理解はできないし、ましてや感情移入はありえない。

とはいえ、少しでも分かってくれればな・・・という思いがあるのも理解できる。そこをなんとか!と思うなら、あなたからの「報連相」の質と量を工夫することだ。少しは「楽」になれるかもしれない。ただし「社員に分かってほしくて、本音と弱音を吐く」というようなことがないようには注意しなければならない。

税理士ともギクシャクしてる、と感じる

私の30年以上にわたる税理士経験から感じる「愚痴」を聞いて欲しい。

税務に関わる大切なことを「え?言ってなかったっけ?」と、とぼける経営者には手を焼いたものだ。多くは「事後報告」。確かに「報告」はあるが、その前に「相談」してほしかったな、という場面。できる限り有利に導こう、と思っていても「事後報告」では手の打ちようがない。

もちろん、そういうタイプの経営者には、こちらから「変わったことはありませんか?」「また、大きな買い物の予定はありませんか?」と積極的にヒアリングするが、「あ~特に変わったことはないよ~!」って上の空。ところが、いざ蓋を開けてみると「案の定」・・・って場面は1回や2回ではない。こちらも人間なので、ギクシャクが始まってしまう。「前もって報連相さえしてくれれば、損はさせないのに」とよく思っていたのものだ。

風通しの良い会社の経営者に学ぶたった1つの大切な視点

この「報連相力」が優れている経営者には大切な共通点がある。そのキーワードは「思いやり」につきる。もし、この「報連相力」に不安を感じるのであれば、自問自答してほしい。

どういうことか?というと、逆の立場に立てばわかるはずだ。経営者が「あの件、どうなった?」「順調に進んでいるか?」と聞くときは「気になる」からだ。

ラーメン屋さんで、注文したチャーシュー麺が10分も20分も出てこなかったら「注文したラーメン、まだですか?」って聞く心理と全く同じ。「どうなってるんだ」と少々イライラしている。しかし、そのラーメン屋さんの大将が「お客さん、今日はチャーシュー麺、30分かかりますけど、いいですか?」って「先に相談」してくれていたら、その場面はガラリと変わる。この大将の「思いやり」だ。待たされたあなたが、困るかもしれない、ということを先回りして「相談」してくれているのだ。「報連相」で大切なのは、この「先回りの思いやり」なのだ。

つまり、社内外に限らず、公私に限らず「先回りの思いやり」で「自分から報連相してあげよう」というマインドが大切なのだ。「聞かれないから言わなかっただけだよ」というスタンスでは良い組織づくりはできない。

経営者として「報連相力」が優れていることの幸福

改めて、経営者として「報連相力」が優れていることの幸福を想像してみよう。つまり「経営者の報連相力が優れている」とは、どういう状態なのか?

  • 社内外でお世話になっている人、協力してくれている人、応援してくれている人に対し
  • 先回りして「報告」「連絡」「相談」をしているので
  • 周りのみんなは、無用な心配はせず、安心してくれている
  • だから、相手も「お互い様」という気持ちで積極的に「報連相」してくれるので、風通しが良く、自分も安心している状態

本質は、このような自分の状態を「幸福」と感じる「心」を持っているか?だ。「風通しを良くする思いやり」なんて「理想論」や「建前論」だ、と感じてしまうならば残念ながら「想い通り経営」は実現できない。

「経営者の報連相力」は、「想い通り経営」に不可欠な「技」としてとても大切なチカラの一つだ。

あなたは何点?

1点:理解レベル
このチカラについて「理解」はできるが「納得・賛同」はできない。

2点:納得・賛同レベル
このチカラが必要なことは「納得・賛同」できる。しかし、身につけるには自信がなく、それによる不都合は受け入れるしかない。

3点:行動レベル
このチカラ不足によると思われる経営上の不都合が起きているので、このチカラを身につけようと目下「トレーニング中」である。

4点:習慣レベル
このチカラ不足が原因の経営上の不都合は起きていないので、この考え方、行動は習慣化しており合格レベルだと思う。

5点:指導者レベル
このチカラは当社の管理者や幹部クラスにも必要なので、自らが模範となって指導している。

「報連相力」をトレーニングする方法

さて、ここまで読んで「心が痛い」と感じた人、つまり「自分には報連相力が不足しているな」という自覚症状があれば早速トレーニングを始めよう。

ポイントは「思いやり」だ。「気遣い」と言い換えてもいいだろう。要は「相手を思う気持ち」だ。

  • 社員たちが「報連相」してほしいと思っていることは何か?
  • 取引先が「報連相」してほしいと思っていることは何か?

まず、このニーズに敏感でないといけない。もし、不安があるなら相手にストレートに「私の報連相は足りてる?」と聞けばよい。まずは「自分の報連相へのニーズ」を正しく把握することから始めよう。

このような意識を持ち続ければ、必ず「報連相力」は高まる。

「考え方」と「行動」を変えて「結果」を変えよう!

【参考】習慣化のステップ
  • 理解レベル:理解できる。
  • 納得レベル:納得でき、賛同もできる。
  • 行動レベル:高めなければならない=MUST)と思い行動を続ける
  • 習慣レベル:MUSTからWANT(=高めたい)に変化する

まとめ

以上、経営者の報連相力、チームの風通しをよくするために相手が必要とする情報を、正確に、かつ、タイムリーに自ら発信する思いやるチカラ」を紹介した。大切な視点は「思いやり」だ。

もし、社員に対しても「報連相」を改善して欲しいと思っているなら、この「思いやり」というキーワードをアドバイスしよう。彼らも気付いて変わり始めるはずだ。

「想い通り経営」を実現するための「経営者の心技体」のなかの大切な1つである。経営者の「考え方」が変われば、「行動」が変わり、望ましい「結果」に変わる。是非、参考にしてみてほしい。

お役に立ちますように!

【このブログについて】「若手経営者のための経営支援ブログ」