「経営者の管理力」全てが想定通りという先読みのチカラ

この記事のポイント

想定外のことが多くて「順調!」とは思えない、って困っていないだろうか?もしそうならば、あなたの「管理力」を見直す良い機会かもしれない。

「想い通り経営」に必要な「経営者の心技体」。「技」の中でも基礎スキルの大切な一つ「経営者の管理力」について、その大切さと、改善のヒントを紹介しよう。

「管理力」が足りない経営者に起きる3つの不都合なこと

「心技体」の「技」は、「基礎スキル」と「経営スキル」の2つに分けているが「基礎スキル」は、経営者に限らず、すべてのビジネスパーソンに共通する必須スキルだ。(基礎スキルの一覧はこちら

その一つである「管理力」は「常に最悪のリスクを想定し、十分な事前行動を行い、被害や損害を最小限にするチカラ」と定義している。

このスキルは、経営者でなくてもビジネスパーソンなら誰にでも必要なチカラでであるが、多くの社員や取引先に対する大きな責任を抱えている経営者には特に大切なスキルだ。

この「管理力」が不足していると、次のような不都合がしばしば発生する。

計画通りに中々進まない

例えば「年間予算」。売上目標を達成しようとして一生懸命頑張ってるのに、中々クリアできない、という場合だ。そもそも「目標は正しかったのか?」ということを疑うことになる。ここでいう「正しい」は「行く手を阻む様々な障害も事前に想定して織り込んでいたのか?」という意味だ。何のトラブルもなく、すべてが順調という「暗黙の前提条件」で目標設定していると、当然ながらこの前提条件が変わると目標は遠のいてしまう。

想定外のことで足を引っ張られることが多い

いわゆる「想定外」の発生だ。「想定できなかった」「想定しなかった」という言い訳はどうでもよくて、「管理力」が不足していると「想定外」が発生することが多くなる。経営に限らず、どんなことでも「想定外」が生じると、多くはマイナスを被ることになる。このタイプの経営者がよく発する決まり文句は「マジか!?」だ。

明日やろうは、馬鹿野郎?

万が一のリスクは想定していたが「準備が手遅れ」というケース。「このまま放置しておいたらヤバい!」って気付いていたのに「いつか対策を打たないとなあ・・・」と思っている間に「現実」になってしまって「後悔先に立たず」という経験はないだろうか?リスクは1時間後に発生するかもしれないのだ。

経営リスクによるダメージを最小限にするための大切な2つの視点

この「管理力」が優れている経営者には大切な共通点がある。そのキーワードは、「リスク想定」「事前行動」の2つ。もし、この「管理力」に不安を感じるのであれば、是非、この2つの視点について自問自答してみよう。

石橋を叩いて被害想定

まず最初は「被害想定」だ。

「石橋を叩いて渡る」というフレーズがある。石橋だから割れないだろうけど、念のために叩いて確かめてみる、という意味だ。「管理力」が優秀な経営者は、共通して「心配性」だ。決して、心配してビクビクしてる、という意味ではなく「まさか、そんなことまで起きないだろう」と思われることまで心配し、先回りして万全の準備をしているのだ。慎重派、ともいえる。

ここで大切なのは「リスクの発生」だけではなく「そのリスクで受けるダメージ」まで想定する、ということだ。

「金庫を盗まれるかもしれない」と想定するなら、その被害額もセットで想定しなければならない。その金庫に300円しか入っていないなら「盗まれてもいいや」と、それはリスクではなくなるかもしれない。しかし、「常時300万円が入ってる」となれば、多少のコストをかけてでも守り切らないといけないだろう。このように「リスクダメージ」を想定しなければならない。

「管理力」が優秀な経営者には「石橋を叩いて被害想定する」という共通点がある。

事前行動が万全

2つ目のキーワードは「事前行動」。

想定されるリスクでダメージを受けないように、あるいは、最小限に抑えるために事前に準備したり、対策を講じたりする、という共通点。

この事前行動は「対処療法」のみならず「根本対策」まで講じることが多い。

不適切な例えで恐縮であるが・・・「ゴキブリが出てくるかもしれない」というリスクが想定されるので「出てきたゴキブリを退治する方法」を考える場合と、
「そもそもゴキブリが出てこないように対処する」の違いだ。事前行動で大切な視点である。

「管理力」が優秀な経営者には「事前行動が万全」という共通点がある。

経営者として「管理力」が優れていることの幸福

改めて、経営者として「管理力」が優れていることの幸福を考えてみよう。つまり「経営者の管理力が優れているとはどういう状態なのか?」だ。上記の3つの視点に照らし合わせて表現すると次のようになる。

  • 起きるかもしれないリスクと、それで受けるダメージを具体的に想定し、
  • そのダメージを最小限にする事前行動が万全なので、万が一の時も安全・安心であり
  • その結果、取引先も、社員たちも安心して仕事に取り組める状態

本質は、このような自分の状態を「幸福」と感じる「心」を持っているか?だ。このように「リスクを事前に想定し、事前に行動する」ということが「建前論」と感じてしまうならば残念ながら「想い通り経営」は実現できない。

「経営者の管理力」は、「想い通り経営」に不可欠な「技」としてとても大切なチカラの一つだ。

あなたは何点?

1点:理解レベル
このチカラについて「理解」はできるが「納得・賛同」はできない。

2点:納得・賛同レベル
このチカラが必要なことは「納得・賛同」できる。しかし、身につけるには自信がなく、それによる不都合は受け入れるしかない。

3点:行動レベル
このチカラ不足によると思われる経営上の不都合が起きているので、このチカラを身につけようと目下「トレーニング中」である。

4点:習慣レベル
このチカラ不足が原因の経営上の不都合は起きていないので、この考え方、行動は習慣化しており合格レベルだと思う。

5点:指導者レベル
このチカラは当社の管理者や幹部クラスにも必要なので、自らが模範となって指導している。

「管理力」をトレーニングする方法

さて、ここまで読んで「心が痛い」と感じた人、つまり「自分には管理力が不足しているな」という自覚症状があれば早速トレーニングしよう。

この「管理力」を磨くチャンスは「痛い目にあった時」だ。

不都合なことが起きた時に「事前行動に抜かりはなかったか?」と「紙に書き出す」ことだ。「売上目標が達成できなかった」としよう。「原因は?」「達成するためにやるべきことはなかったのか?」「***をやっておけば、達成できたはず」という具合だ。

記憶に新しいことで言えば「コロナで受けたダメージ」である。コロナのダメージを回避する事前行動は取れなかったのか?すでに被ったダメージの治療も大切であるが、そもそも、このダメージを受けなくてすむような事前行動はなかったのか?を具体的に書き出すことだ。

この「先読み」は「思考習慣」でもあるので、小さいことでも書き出すことがポイントである。「大したことはなかったから」ではなく、小さなことでもトレーニングのために書き出そう。おそらく、毎日のようにあるはずだ。

「天気予報が外れたから、雨に打たれてしまった」・・・「天気予報の責任」にしていたら「管理力」は上がらない。「天気予報が外れたら」という想定をしておく必要があったのだ。

意外と「辛いこと」「負けたこと」「失敗したこと」に向き合うのが苦手な経営者がいるが、ここで必要なのは「心8選」の「素直力」だ。

辛いこと、負けたこと、失敗したことを素直に受け止め、リアルに「原因の本質である、自分のスキル」を具体的に書き出すことがとても大切である。

これを「日課」にしてほしい。継続すれば、必ず、管理力は高まる。「考え方」と「行動」を変えて「結果」を変えよう!

【参考】習慣化のステップ
  • 理解レベル:理解できる。
  • 納得レベル:納得でき、賛同もできる。
  • 行動レベル:高めなければならない=MUST)と思い行動を続ける
  • 習慣レベル:MUSTからWANT(=高めたい)に変化する

まとめ

以上、経営者の管理力「全てが想定通りという先読みのチカラ」を紹介した。大切な視点は「リスク想定」「事前行動」だ。

その中には「心技体」の「体」も含まれる。経営者の健康管理は当然であるが、突然の事故や病気に備えて、「体」の劣化をカバーするべく「心」と「技」を磨くことはとても大切な「事前準備」であることを書き加えておこう。

(参考)経営者の「心技体」と「年齢」

「想い通り経営」を実現するための「経営者の心技体」のなかの大切な1つである。経営者の「考え方」が変われば、「行動」が変わり、望ましい「結果」に変わる。

是非、参考にしてみてほしい。お役に立ちますように!

【このブログについて】「若手経営者のための経営支援ブログ」