人事評価基準が完成するまでプロセス

マネジメント・コーチでの現場で、中小企業の「人事評価基準」作りはどのようにサポートしているかを紹介します。

ボクが考えている「人事評価制度」は、

  • 経営計画とリンクしていること
  • 成長支援が目的であること

がポイントです。

(関連記事)中小企業のための「マーカス式人事評価」設計と運用のヒント

人材の成長による経営者の想いの実現」をサポートすることがボクのマネジメント・コーチとしてのミッションです。現場では、おおむね次のようなステップで進めています。

「経営者の想い」の整理と言語化

「人事評価」は「手段」です。

「目的」は「想い通り経営」であり、その実現のための効果的な「人事評価基準」を作らなければなりません。

そのため、まず最初に取り組むのは「経営者の想い」の整理と言語化です。

社長、そもそも、なぜ会社を作ったの?

まず「そもそも」のインタビューからです。

大きな野望を持って創業した人もいれば、たまたま成り行きで脱サラ独立した人もいます。あるいは「後継者」「二代目経営者」もいますが、それぞれに想いや事情があって会社経営をしています。

それぞれが「会社経営」についての「想いの強弱」や「特別な事情」があって、まさに百人百様ですが、いずれの場合も明確にしなければならないのは「誰のために会社を経営しているのか?」です。

このインタビューで、もし経営者の「自分ファースト」な気持ちが見え隠れすると、このプロセスには少々時間がかかります。

経営者の本音に「自分ファースト」が残っていると「想い通り経営」は実現できないからです。「自分ファーストな経営者」のところで人材は成長しないし、そもそもそこに優秀な人材は現れないからです。

ボクの場合、まずは「人事評価基準の下地」として「誰のために会社を経営しているのか?」を整理し言語化するサポートをすることから始めます。結果的にこの段階で「経営理念のリニューアル」となることも少なくありません。

「経営計画」を実現する為のチームの成長を支援する

冒頭に書いたように、ボクが考える「人事評価基準」は「経営計画」とリンクしていることが重要です。なぜなら、社員たちは「経営計画を実現する為のチーム」の一員だからです。

「経営計画」には「経営目的」や「経営目標」が示されていますが、この「目的」や「目標」を実現あるいは達成するために会社があります。

そのメンバーである社員たちの成長を支援することが「経営計画」の実現確率を高める手段となります。

「人事評価基準」には「経営計画」を実現する為に必要なスキルが示されており、そのスキルを高めることが社員の成長であり、チーム・組織の成長となるのです。

「人事評価」とは、そのスキルの習熟度合いを評価する取り組みに他なりません。

つまり「人事評価基準」は「経営計画を実現する為のスキルをどれくらい身につけ、どれくらい貢献できているか?」を経営者と社員が共有するための成長支援のツールなのです。

・・・ということは「経営計画」は「なぜ成長が必要なのか?」の答えでもあるので「絶対必要」です。もし「経営計画」が無ければ、ボクの仕事は「(人事評価の前に)経営計画サポート」に変わりますw。

ドリームチーム「未来組織図」の明確化

「経営計画」が明確であれば、次に「経営計画を実現する為にどんなチームが必要か?」いわゆる「ドリームチーム」を明確化することに取り組みます。そのポイントは「ゼロベース」。

現状のチームや人材は「ドリームチーム」のイメージ作りの妨げになるので、いったんゼロベースで考えます。

「現状のメンバーはいったんリセットして、経営計画の実現のために新たに好きな人材を採用できるとしたらどんなチーム編成にしたいか?」をディスカッションしながら「理想の未来組織図」を具体化するサポートを行います。

これが「経営計画」の「組織計画」となります。

期待する人材像

今後3~5年の「未来組織図」が明確になったら、次は「各ポジションの要件」を整理し言語化していきます。つまり、各ポジションには、どのような人材が必要か?です。

例えば、営業部門には、どのような営業マンが必要か?営業事務担当に必要なスキルは?それらを束ねる部門長に求めるものは?と、それぞれのポジションごとに必要なスキルをリストアップしていきます。そして、この「スキルリスト」が「営業部門の人事評価基準」のベースとなるわけです。

このようなプロセスで全部門・全ポジションの「スキルリスト」ができれば「経営計画を実現する為の理想の人材と人材と組織」が明確になる「はず」です。

ここで改めでインタビュー・・・

この人材と組織で経営計画が実現できそう?

「できそう!」という回答を得たら、次のステップです。

人事評価基準の設計

いよいよ、やっと「人事評価基準」の設計に取り掛かります。

全員共通の「基礎スキル10項目」と、職種別「実務スキル10項目」の「評価基準」を具体的に「ツールとして」作成します。

基礎と実務の合計20項目のスキルについて「合格ライン」をクリアすれば、上記の「理想の人材」となるか?を一つ一つ検証しながら整えていきます。

また、その表現は、社員たちが実践しやすいように、できる限り具体的・実務的であることが大切です。「人事評価」は、学校でいう「テスト」にあたりますが、ここで作成する人事評価基準は「テキスト」となるか?を意識して作成を進めます。

「どのようにスキルを上げればよいのか?」
「そのためにどうすればよいのか?」
などが正しく伝わるようにしなければなりません。

ちなみに「マーカス式の5段階評価」についての詳細は下記を参照してみてください。

  • 【1点】理解・納得レベル
  • 【2点】行動レベル(日常業務において補助者等を必要とする)
  • 【3点】成果レベル(日常業務に支障はない)
  • 【4点】習慣・安定レベル(イレギュラーなことも対応できる)
  • 【5点】相互支援レベル(他者の指導・組織内外への拡散)

(参考)
中小企業の人事評価【5段階基準】の作り方と使い方
人事評価は運用できてナンボ!中小企業は絶対シンプルが良い

まとめ

以上「人事評価基準作り」をボクがどのようにサポートしているかを紹介しました。ポイントは前述したように

  • 経営計画とリンクしていること
  • 成長支援が目的であること

です。「点数をつけるためだけの道具」にならないように気を付けています。

お役に立ちますように!

30年以上、税理士として数百名の中小企業経営者と向き合ってきた経験から、独自のメソッドで成長志向経営者の「想い通り経営」をサポート。特に、管理会計を活用した業績分配制度の設計、運用フォローに定評がある。20~40代の若手経営者の兄貴的存在として多くの支持を得ている。1961年生丑年蠍座。