【正しい考え方(その3)】社会人の方程式

成長の前提となる「正しい考え方」のひとつ「社会人の方程式」を紹介します。

「春から社会人1年生!」とか「社会人として恥ずかしくない様にね」など「社会人」という言葉をよく使いますが、何ですか?社会人って?説明できますか?

色々な意見がありますが、みなさんはどう思いますか?

「お金を稼いでいる人?」だったら、お金を稼がなくなったお爺ちゃんやおばあちゃんは「なに人」になるんでしょうか?あるいは、「学生でない人?」では、小学校入学前の子供たちは社会人ですか?

方程式を確認しましょう。

まずは、社会人としての「自覚」です。

人は1人で生きていけません。社会の中で生活しています。まず、それを自覚する必要があります。

夜道をフラフラ歩いていても安全なのは、だれかが治安を守ってくれているからです。蛇口をひねると水が出てくるのは、水を作っている人がいるからです。そんな「当たり前の自覚」をする必要があります。それが分からないと「社会人のくせに、そんなことも分からないの?」と後ろ指を指されます。社会がイヤならどこの国にも属さないジャングルに潜んで1人で生きてください、ということになります。

「(社会人としての)自覚」が1つ目のキーワードです。

2つ目は「役に立つ」というキーワード。程度の差はあっても、役に立たない人は居ません。すごく役に立っている人、少しだけ役に立っている人、その大小は関係ありません。社会の中で、それがどれだけ小さくても「誰かの役に立つこと」が社会人の2つ目のキーワードです。

3つめは「迷惑をかけない」というキーワード。約束を破ると「社会人のくせに」と言われます。時間を守らないと「社会人のくせに」と言われます。

例えば、飲食店のアルバイトが、不適切なことをやったというニュースを聞いたことがあります。まさに迷惑行為です。「正しい考え方」の1つである「社会人」としての正しい考え方が出来ていない事例の1つです。

有名なスポーツ選手や、歌手でもありましたね。当然、社会人としての自覚はあったでしょうし、甲子園や東京ドームでホームランを連発してファンを喜ばす、まさに役に立っていた選手が、我々には入手できない特別な薬を使って逮捕されました。つまり「迷惑をかけて」社会人失格、となった事例です。

もう、お分かりのように、この社会人と言う言葉は「大人」と読み替えることもできます。日常会話で「大人」と表現
している意味合いと同じと思ってもOKです。

さらに、理解を深めてもらうために「学生と社会人の違い」を紹介しておきます。この「社会人」は、世間一般で使っ
ている意味の「社会人」です。さて、学生と社会人、何が変わるのでしょうか?

1つ目。学生はインプットが仕事であることに対して、社会人はアウトプットが仕事という違いがあります。

学生は勉強してインプットすればするほど「よく頑張っているね」と褒めてもらえますが、会社で勉強していると「仕事しなさい」と今度は叱られ、真逆のことが起きます。社会人は成果をアウトプットすることを求められます。

2つ目。学生には「合格ライン」があります。満点でなくても80点や90点で「よく頑張った!」と褒めてもらえました。ところが、社会人になると「満点で当たり前」120点取ると「スゴイ!」と評価されます。反対に90点の仕事は「10点足りない」といわれてしまいます。

つまり、学生は合格でいいけど、社会人は「満点以上」でないといけない、という大きな違いがあります。厳しいことを言うようですが「結果」が求められます。

例えば、ラーメンを食べにって、いつもは2枚乗っているチャーシューが乗っていなかったら、ほとんどのお客さんは「チャーシュー乗ってないですよ!」とひとこと言います。ところがラーメン屋の大将が「僕は一生懸命作ったんだ!チャーシューがなくてもおなか膨れるでしょ!」と逆切れしてきたら?もうその店には2度と行かないはずです。

反対に、いつもは2枚のチャーシューが5枚乗っていたら「え、普通のラーメンを頼んだのに、これってチャーシュー麺?」と思います。そんなあなたの顔を見て、大将が「いつもありがと!今日は3枚プレゼントしておくよ」と言ってくれれば、チャーシューの枚数がどうのこうのではなく、その気持ちがすごくうれしく感じるはずです。これが「満点以上」の意味です。

さて、3つ目の違い。「カンニング」です。みなさん、学生時代、カンニングってしましたよね?え?してない?もう時効ですよ、やりましたよね?カンニング!

なぜ、ここでみなさんは「やってない!」とウソをつくのか?それは「悪い事」って認識しているからです。そうです、学生の時のカンニングはNGでした。ところが、社会人は「何でもあり」です。むしろ「1人でやり遂げなければ」と、誰にも頼らずすごく頑張っている人。その姿勢は評価できますが、残念ながらそれも「満点以上」の場合だけです。

もし、自分1人でやらなければ、と頑張っても結果が満点でなかったなら、つまり「成果」が足りなかったら認めてもらません。満点以上のアウトプットのためなら、カンニングでも、代行でも、何でもあり!なのです。

学生は、一生懸命勉強=インプットして、自力で合格ラインを目指す人。社会人は、手段を問わず、満点以上のアウトプットをする人なんですね。

さて、如何ですか?時々若い人が「学生気分が抜けてない」と言われているのを見聞きしますが、この3つに当てはめると「何が学生気分」なのか、説明することができますね。

「ビジネスパーソンとしての成長」は「人としての成長」が前提です。

「社会人として」「大人として」の正しい考え方をインプットしておきましょう。