【コミュニケーション】=(正確)×(タイムリー)×(適切な手段)
「基礎スキル」の4つ目は「コミュニケーションのチカラ」です。ここでいうコミュニケーションは「情報の受発信」のことであり「みんなと親睦をはかる」というイメージの言葉ではありません。
方程式を見てください。「正確」「タイムリー」「手段」という3つのキーワードが掛け算でつながっています。
1つ目のキーワードは「正確」です。
情報の受発信において、その情報が「正確」であることが重要ですね。
「あなたの家が燃えている!」
「あなたの家が燃えているかも?」
「あなたの家が燃えるかも?」
ちょっとした表現で、まったく意味が変わります。正しい表現で正しく伝える必要があります。
2つ目は「タイムリー」。
説明はいらないですよね?「あなたの家が、昨日、燃えてましたよ!」と言われても「???」ですよね。
3つめは「手段」。
「何を使って伝えるか?」です。「あなたの家が、今、燃えています!」と、急いでハガキを出した・・・方法が間違っていますよね。
当たり前の事ですが、この3つのうちのどれかが欠けてもエラーが起きてしまいます。
- 聞いてないよ~
- ちゃんと言ったやん!
- そんなつもりじゃなかった・・・
- え?そういう意味やったの???
- もっと早く言ってよ~!
- 今、それ、必要?
- メール?見てないよ・・・
- そんなに急ぎだったら、電話ちょうだいよ~
前述したように、ここでいうコミュニケーションは親睦会で仲良くしよう、という意味のコミュニケーションではありません。チーム内外での情報の受信、発信を正しく行って、少しでもエラーを減らそう、というスキルのことです。
コミュニケーションを良くするために、この3つのキーワードについて「あるべき姿」となっているかを確認し、課題を発見してみてください。
受注・発注のチカラ
「コミュニケーションのチカラ」の応用として、仕事の受け渡しのスキルである「受注・発注のチカラ」も併せて紹介しておきます。社内外を問わず、受注ミス、発注ミスを少しでも減らすための「正確なコミュニケーション」のチカラです。
【受注・発注】=(納期)×(品質)+(後工程)
どこの職場でもよく見かける「あるある」ですが・・・
「こんどの会議の資料、なるはやで作ってね~」
「例の仕事、今週中によろしく~!
「パンフレット、イイ感じで作って~」
・・・と、結構、曖昧な言葉で仕事の依頼が飛び交っています。
これでエラーが起きない、とか、イヤな思いをする犠牲者がでなければ「以心伝心で伝わる結束したチーム」と言え
るのですが、それは多くありません。
多くの場合・・・
「会議の資料、まだ、できないの?」
「今週中って言ったのに、もう、金曜だよ!」
「ぜんぜん、イイ感じじゃないな・・・」
・・・など、催促であったり、二度手間、三度手間、が頻発しています。そんな「イヤな思い」をしなくてよいように仕事
の受注、発注のときは、「納期」と「品質」を必ず具体的に確認し、そして、付け加えて「後工程」、つまり「この仕事は、次にどこへ続くか?」の情報を付け加える。だから「後工程」は「×」ではなく「+」で付け足してあります。
ケーキ屋さんなどで見かける「贈り物ですか?ご自宅用ですか?」と店員さんが尋ねている場面。まさに「後工程」を確認しているのです。「贈り物」なら、リボンが変わったりするのですよね。
さて「納期」ですが、必ず「日時」まで双方が確認することです。「今週中」と言われれば、金曜の朝ですか?夜ですか?あるいは、週明けの朝イチですか?と言う具合です。
「品質」も、例えば、資料はホッチキスでいいのか?それも、1点留め?2点留め?それとも「製本」しなければならない?などの確認です。
「そこまで言わないといけないか?」と思うかもしれませんが、そこで「管理のチカラ」登場です。この人に、この仕事を依頼したら、どんなリスクが想定されるか?そのリスクが現実化しないように事細かく指示してあげよう、という「発注管理」です。
多くの場合、会社の中で、偉くなればなるほど「発注力」が弱くなります。社長にまでなれば「アレよろしくね~!」で終わってしまうことすらあります。そこで「はい、了解です!」と言えば・・・。これは、受注側が悪いのです。
受注力のスキルがあれば「社長、アレって、***の件ですよね?」「社長、金曜の10時仕上がりでイイですよね?」と納期を再確認し「社長、その資料は、カラー印刷の製本でしたよね?」と品質も再確認し、おまけに「社長、その資料で、お客さんに提案するのですよね?」と後工程までしっかり確認することができます。
おそらく社長の中には「はい、はい、はい、その通り、クドイやつだな~」とイラッとされるかもしれませんが、あとで「これ、違うやん!」と怒られることを思えば、軽いもんです。
仕事を正しく受けることは、チームワークを良くするための大切な「基礎スキル」です。